ラノベ感想.com

これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【ヴァ】公爵様の読書係 〜女性向けだけど男性も楽しめるよ!〜

公爵様の読書係?手探りの愛撫? (ヴァニラ文庫)

公爵様の読書係?手探りの愛撫? (ヴァニラ文庫)


最近女性向けのライトノベルにも手を出し始めまして。今回読んだのは「ヴァニラ文庫」というレーベルのライトノベルです。ハーレクイン?が出している若い層向けの活字コンテンツです。非常に読みやすく少しHな内容が面白かったなぁというのが初めて読んでみての率直な感想。1時間程度で読破出来ました。


で、今回読んだコンテンツは「公爵様の読書係」。目の不自由な若くてカッコいい公爵の元に没落した伯爵家の一人娘フィアナが読書係として公爵を補助するというお話です。読書係というのがよくわかりませんでしたが、展開としてはフィアナが馬車の事故で両親と弟を亡くし、さらに本人も目に傷を負ったヒーローギルバートのもとでお仕事をする中で諸々引き起こる人間関係のいざこざがメインです。


ギルバートのことが好きな幼なじみのエリサがフィアナにいじわるなことをしたり、フィアナがギルバートの叔父から公爵家に隠された古い指輪を盗んでこいと脅されたり・・・定番な展開ですが読みやすくグイグイ引き込まれるタッチで紡がれた文章のおかげで物語に没頭できました。


さらにHシーン。濃厚。半ばやけになり自分を見失ってしまうギルバートに押し倒され脱がされ抱かれてしまうフィアナはとにかく可愛いし、夢中になるギルバートにもなんか共感できます・・・ちょっとHシーンまでの展開が早いように感じますが、優しく親身に接してくれるフィアナの母性は落ち込んでいる男性にはたまらなく効果的でしょう。ギルバートがフィアナのことを好きになってしまうのは理解できます。


巷に溢れるライトノベルは、なんで好きになるの? なんで惹かれ合ってるの? と強引すぎて理解し難い展開のものが多いんです。でも、この作品はその辺りを丁寧に描いているため、非常に共感しやすい物語だと思いました。女性だけじゃなく男性も十分読める上に楽しめる作品でしょう。


とまぁ、ほぼ初めてTL小説というジャンルを読んでみました。女性向けと言われていますが十分男性も楽しめる内容でした。ヴァニラ文庫は結構ラインナップが多彩ですので、また別の作品も読んでみようかなと思います。


侯爵に買われた人形花嫁【SS付き電子限定版】 ヴァニラ文庫

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旦那様と甘い蜜月 恋闇?淫らに触れる指先? 特別番外編 ヴァニラ文庫

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かりそめの花嫁?王子のひそかな執愛? (ヴァニラ文庫)

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黄金の王子と囚われのシンデレラ (ヴァニラ文庫)

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月の王と神の宝石?シークの略奪愛? (ヴァニラ文庫)

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【電】魔法科高校の劣等生17 師族会議編(上) 〜感想:きな臭い政治的な策略が中心〜


今回も面白かったのですが、「魔法」的な描写がかなり薄くどちらかと言えば政治的な策略がメインのお話でした。


1.前半:学校生活
前半は大きな変化のあった達也と深雪の学校生活のお話。深雪が四葉家の当主でと達也が真夜の息子であるということ、さらに深雪と達也が婚約したということで学校内が不穏な空気を醸し出しているという展開がメインです。特に、深雪や達也の友人たちのいつもどおりではない反応がリアルでもあり切なくもありました。

幹比古は達也と顔も合わせず避けながら「なんで相談してくれなかったんだ!」と勝手に憤り、美月はどう接していいかわからず慌てた反応しかできず。
ほのかや雫は深雪に近寄ることも出来ない状態。

そんな中、エリカやレオはいつもどおり達也に接していたのは印象的でした。そして幹比古や美月に活を入れるシーンはエリカの性格を強く表している名シーンだと思います。また、雫がほのかに達也と深雪のことを告げるシーンは一見の価値ありです。どのように友人たちが達也や深雪と仲直りしていくのか、ここが見どころかもしれません。

といった感じで前半は殺伐しつつもほのぼのと過ぎていきます。しかし後半は一気にきな臭い様相に変化します。


2.後半:十師族の政治的暗躍
後半のメインは日本、いや世界の動向をも左右する力を持つ十師族たちの様々な思惑やパワーバランスといった政治的な駆け引きがメインになってきます。

達也と深雪のの婚約に反対し自分の息子を婚約者にさせようとする一条家表側では近親婚では遺伝子がどうたらこうたら、と言いつつも裏では四葉家との力関係を危惧していることが見え見えの描写は非常に上手く描かれています。そんな一条家の肩を持つ七草家。真由美を達也の婚約者にしたいと行動に出ます。(相変わらず真由美は達也に恋愛感情は無いんだから! と否定しますが、実は・・・)

また、今回のタイトルでもある「師族会議」が開催され、今後4年間十師族を務める家を選定したり、現十師族の不手際を追求しあったりとまるで政治の裏側でドロドロ潰し合いをしているかのような描写が続きます。魔法を使ってドンパチするシーンはほぼ出てきません。九校戦編や来訪者編で出てきたような激しい戦闘描写を期待されている方は肩透かしを食らうかもしれないですね。ただ、今回は「師族会議編(上)」なので、次回の「師族会議編(中)」ではこういった戦闘描写がメインになるはずです。


という感じで今回も非常に楽しませていただきました。ただ、戦闘描写が少なかったこと、達也や深雪と友人・先輩たちとのシーンが少し少なかったことがちょっと不満でしたので、評価としては70点というところでしょうか。


中盤にアンジェリーナ・シリウスことリーナが久々に登場します。ただ、今回はメインというよりは次巻以降の予告編的な出演でした。日本へは軍として派遣されないという判断でしたが、師族会議編(中)(下)できっと暴れまわるんでしょう。そんな期待を込めつつ次巻の発売予定の12月まで待ちましょうか。


【ガ】下ネタという概念が存在しない退屈な世界1 ~序盤で8割の読者を失う作品~

下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (ガガガ文庫)

下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (ガガガ文庫)


まさかアニメ化するとは・・・と驚きしか出ないラノベです。いやー、よくこんなラノベが発売できたよなぁ、とただただ脱帽。下品さしか感じない迷作とはこのことだと自信を持って提供できる作品です。


まず序盤で読者の8割を失うだろう展開が素晴らしい。いきなり女性が顔にパンツをかぶって(変態仮面風に)局部の名称を叫ぶなんてこれまで読んできたどんな小説よりもインパクトがでかい。さらに、羽織ったマントの下は全裸。。。萌など皆無、ここまでやられるともう何も言い返せません。


中盤から後半もその勢いは弱まることなく、むしろ増強しつづけます。全校生徒集会をジャックして舞台上の巨大スクリーンにハエの後尾を映し出しアフレコで喘ぎ声を感情込めて体育館全体に流したり、レジスタンス活動だ!とか言いつつエロ本をばらまいたりと、とにかく勢いだけで書いてるんじゃないかと思える展開がどんどん続きます。


ただ、バカバカしいと思っていましたが全体像を見てみると、要は巨大で理不尽な権力に対し世の中を本来あるべき姿へ戻そうという強力なアンチテーゼを発信しているのかなとも思えます。権力側が下ネタ、エロを徹底的に排除し、そんなものに手を出そうとする国民を激しく弾圧する姿は、現代のオタク文化や青少年保護育成条例表現の自由を曲解しクリエイター達の活動の場を消し去ろうとする像を彷彿とさせます。


だから、ある種あまりにもバカバカしく描きすぎている理由は、世の中に対する警告を放っているのかな、とも思えるわけです。うーん、深い作品だ・・・


と妄想はこれまでにして、なんで小説化、アニメ化したのか意味不明な作品ですが、個人的には少し応援してもいいかなぁと感じる作品です。1巻の序盤さえ通り越せばまだ楽しめるはずなので、ぜひぜひ挑戦あれ!