【講】アウトブレイク・カンパニー2 〜燃える展開と萌える展開を楽しめる素晴らしいバランス!〜
アウトブレイク・カンパニー~萌える侵略者2 (講談社ラノベ文庫)
- 作者: 榊一郎,ゆーげん
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/12/28
- メディア: 文庫
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突如として日本と、富士の樹海の『穴』を通じて地続きになってしまった異世界。そこの神聖エルダント帝国に『萌え』を売り込む事になったのは、ただのオタク少年加納慎一だった。
1巻を怒濤の勢いで読み切り、そのままの勢いで2巻をKindleで購入してすぐに読み終わりました。今回もしっかりとしたストーリー構成とキャラ設定が光る安心して読めるライトノベルになっています。オタクが美少女に囲まれて様々な事件を解決していく、といったありきたりな大筋ですが内容がしっかりと描かれているのでとにかく気軽に読める上に楽しめます。
この1巻の見どころは「異文化」「価値観」の衝突と主人公慎一の苦悩というところでしょうか。オタク文化を広めるべく作ったオタク学校を運営し、日本語や様々なオタク文化を凄い勢いで吸収する生徒たち。しかし、そんな生徒たちの間にも人間やエルフと身分が異なる差別があるわけです。そんな身分制度を当たり前のように受け入れている文化に違和感とショックを受ける慎一。そして、この苦悩や葛藤がさらに倍増する事件も起きてしまいます。
オタク文化を浸透させるべくオタク学校の教壇に立つ慎一ですが、娯楽がもともとそんなに無かった世界に急に魅力的なコンテンツの数々を普及させることで生徒たちがこぞってオタク文化に没頭し始め、さらには生徒たちの元々の生活を軽く波状させてしまうほど威力を増していきました。日本政府の思惑は「文化侵略」。異世界の文化を侵略し日本から与えられる文化無しでは生きられないようにするという裏の思惑にふと慎一は気付いてしまいます。
自分のやっていることは「侵略」なのか? 日本政府の言うとおりにすることが本当にこの世界のためになるのか? 葛藤と苦悩を繰り返しとうとう引きこもってしまう慎一。しかし、そんな慎一が本来の自分を取り戻しとある工夫で日本政府の思惑に対して悪行から対立しようとします。
ここからがクライマックスです。反旗を翻した慎一の行動に対し日本政府のとった行動とは何か? そしてその行動の結果ミュセルやペトラルカとの関係はどうなってしまうのか? 自衛隊の一員で日本政府側に付いている美埜里の立場は? このあたりはぜひ読んでみて楽しんでいただきたいですね。
見どころがたくさんある勢い溢れる第2巻。萌えと燃えをぜひとも楽しんでください。