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これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【フ】甘城ブリリアントパーク5 〜設定は重いのに笑いが止まらない面白さ!〜


待ちに待った5巻ですね。あっという間に読みきってしまいました。


5巻は結構パークの経営にまつわる細かいお話が多かったような気がします。市の条例や消防法、税務調査や保健所の査察といったパーク運営と自治体との関係が少し見えてきたり、アトラクションの入場を待つ長蛇の列の弊害などなど、ドタバタコメディ的なノリの中にリアルな場面を上手に挟み込んでいるので読んでいて飽きません。


前半はマカロンが主役。カロンが別れた元妻に引き取られた娘と再開する話(なんて重い設定!)と、元AV女優の映子と父親との微妙な関係のお話。婚約者と結婚したくないので思わず職場の上司と付き合ってると父に言ってしまったため、マカロンに恋人のふりをしてもらうというありがちな展開なんですが、マカロンは見た目が着ぐるみなのでそれを上手くごまかすところがまた面白い。


とあるアイテムを使って人間の姿になるシーンは必見ですね。何度もこのシーンが出てくるので笑いが止まらない・・・そして最後の娘を持つ父としての想い、上手くシリアスにまとめられていると思います。


後半も盛りだくさん。まずは1巻から出演しているのにほぼスポットライトの当たらなかった精霊四人娘(ミュースやサーラマ)が主役のドタバタコメディショートストーリーです。ほぼモブキャラと化していたサーラマ(火の精霊)やコボリー(土の精霊)の性格といった内面が描かれたり、シルフィー(風の精霊)は単なる不思議ちゃんだってことがわかったりと最初から最後まで軽快なノリで突っ走ってます。


次にパークに人気が出てきたことによる弊害とその解決に焦点をおいたお話、モッフルのアトラクションに並んでいたゲストの一人が倒れてしまったことから露見したゲスト回転数の限界をモッフルがキャストリーダーとして何とかせねばと苦悩するっていう内容です。よく通っている居酒屋さべーじの看板娘と一緒にBARへ飲みに行くなんて展開があったり、将来のことについて語り合ったりとモッフルの大人な一面が垣間見えるのがいいですね。結構好きなシーンです。


そして最後は、王女ラティファが他のみんなは頑張ってるのに私は何もできてない、ということを気に病みながら自分には何ができるのかをひたむきに求めるっていう内容。コロッケを作ることしかできない、コロッケを大量生産するのが難しい、、、という悩みがから始まり徐々にパークのためゲストのために自分ができることなら何でもやりたい!と意識が変わっていく少女の成長が見て取れます。


前半と後半それぞれ面白おかしく笑える部分もあり、きっちりとシリアスにしめる部分もあるバランスの良い良質なライトノベルだと感じました。5巻もオススメですね!