ラノベ感想.com

これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【ガ】やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6 〜八幡の悲しい行動が大きく物語と人間関係を動かす〜

ガガガ文庫 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6(イラスト完全版)

ガガガ文庫 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6(イラスト完全版)

傍らに並んで歩くのは雪ノ下雪乃。
「・・・・・・本当に、誰でも救ってしまうのね」


1巻から5巻までの内容とは異なり、八幡がクラスメイトとの人間関係を「文化祭の成功」のためにぶち壊し、自分以外の全員を救ってしまう男気溢れる悲しい行動が痛々しいくてたまらない。このシーンは巷に溢れるライトノベルの中でも凄まじくリアルでの読み応え抜群だと思います。


物語は、高校の文化祭が始まるところからスタートします。自分たちのクラスの出し物に関わるのではなく何故か決められてしまった文化祭の実行委員になり、文化祭を企画・運営する側から様々な問題を抱えつつも成功法とはいえない斜め四十五度の方法で動いていくっていうお話です。


文化祭の実行委員会へ出席するとなぜかその部屋には雪ノ下雪乃もおり、奇しくも同じ委員会内で共に仕事をすることになるんです。そんな中、雪乃の姉が以前文化祭の実行委員長に就いていたということだったので、生徒会長から軽く委員長に推されるんですがそこは華麗にスルー。すると、八幡のクラスの相模が委員長に立候補。この行動が悪夢の夜明けなのでした。。。


当然のごとく相模には運営能力がなく委員会も休みがちになる始末。そんな状況下で雪乃や八幡といった参加する人たちに仕事が集中し徐々に委員会の運営が破錠に向かっていきます。そして最終的に委員会をほぼ仕切っていた雪乃が倒れてしまい委員会運営は頓挫。ここで八幡が動きます。


八幡は6巻では2回大きな動きを見せるんですが、そのうちの1回目はこの場面。仕事を放棄して助けもしなかった委員会の委員たちに対し鋭い皮肉を一言。この一言が大きな波紋を呼び委員会が再び活気を持って動き出すことになるんです。こんな行動しか取れない八幡。そしてこの行動の裏側を理解し優しく接する雪乃の姉陽乃。悲しい物語が幕を開けました。


そして文化祭当日。またここで大きく委員会の組織が危機を迎えます。文化祭の最終局面で発表するための情報を持っている委員長が見つからない!? 逃げた!? と委員長が逃げ出します。そんな委員長を真っ先に見つける八幡。そんな委員長に告げる一言。この一言で委員長他周りのメンバーたちは八幡に対し激しく敵対心を持つものの、悪者を八幡1人に限定することに成功し逃げ出した委員長は晴れの舞台で文化祭最後のスピーチを行うわけです。


スピーチを遠くから見守る八幡。文化祭が終わり打ち上げに参加する人たちを尻目に事後処理を行うべく執務室へ向かう八幡。彼に近づくのは3人の女性。陽乃が真意に気づいていることを告げ、雪乃が「本当に、誰でも救ってしまうのね」と悲しいけど温かく冷たい言葉をかけ、最後に教師であり奉仕部顧問の平塚先生が説教をする。このシーンこそが6巻最大の見せ場であり、俺ガイルを象徴すべき箇所だと思っています。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている6巻、素晴らしく面白いライトではないライトノベルです。可愛い女の子とくっついたり嫉妬されたりツンデレったりパンチラしたり、といったライトノベルのお約束はほぼありません。ここまで内容で勝負しているライトノベルも他に見当たらないですね。私的に本気でオススメしたい作品です。ぜひぜひ読んでみてください!


レーベル:ガガガ文庫
シリーズ:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。