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これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【宝】残留思念捜査 オレ様先生と女子高生・莉音の事件ファイル 〜「このミス」隠し球受賞だけあってラノベ以上ミステリー未満な面白さ!〜


第11回このミス大賞」の「隠し球」受賞?作品です。有楽町マルイの本屋さんで積まれてあったので思わず購入してしまいました。去年は「珈琲店タレーランの事件簿」が隠し球受賞していて、読んでみたらものすごく自分好みの面白い作品だったので今年も「隠し球」には注目していました。そんなわけで買ってしまいました。


この作品は、「リーディング」という特殊な能力を持つ女子高生の二ノ宮莉音と、心理学の学者で大学の講師なのになぜか女子校の社会科で教鞭をとることになった男性教師渋谷一樹が主人公。この教師はオレ様先生とタイトルにあるように女性に対しても男性に対しても優しさを見せないようなツンツンしたキャラだけど、実際は思いやりのある良い奴っていう典型的なオレ様先生。


リーディングっての言うのは事件現場に残っている思念(空間に残っている人の感情)を読み取り再現する能力。そんな能力を持つ莉音とオレ様先生一樹の不思議な人間関係が見どころです。オレ様先生はとある事件を解決するため、警察に協力しつつ催眠誘導を通じて莉音をリーディングが出来る状態に持っていくわけですが、事件のむごたらしい現実を目の当たりにすることになり事件解決へと嫌々ながらも協力することに。。。


しかし、そんな事件が実は莉音の過去や両親の死と深い結び付きがあるとだんだんわかってきて、一樹もより深くその事件や莉音の家庭環境を知るために動き出します。そんな行動とはまた別に、バレンタインデーのチョコを準備する作業に莉音が一樹を無理やり手伝わせたり、リーディング能力を使った後精神的に脆くなる莉音を気遣うために大きなぬいぐるみをプレゼントしたり・・・


と、大きな事件と利音と一樹のだんだん近づいていく人間関係や仄かな恋心が面白いギャップを感じさせてくれます。ラノベ風の萌え小説と思いきや結構本格的に重い事件が繰り広げられているので、軽めのラノベとは大きく違った雰囲気を醸し出してくれます。でも、そんなに読みにくいということはなくラノベを読むっていう感覚で十分楽しむことができます。


ただ、去年のこのミス隠し球である「珈琲店タレーランの事件簿」よりは面白さを感じなかったかな。個人的にタレーランの方が物語の雰囲気や登場人物への思い入れが強かったと思ってます。ま、この辺りは好みでしょうね。でもこの作品も心地いい雰囲気と先の見えない展開、莉音の可愛さといじらしさ、、、楽しめるポイントは多く読み応えは十分にあります。


読みやすくて面白いミステリー? 結構楽しめましたので私は多くの人にオススメしたいです。


レーベル:宝島社文庫
シリーズ:残留思念捜査