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これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【講】アウトブレイク・カンパニー4 〜幼い皇帝ペトラルカの重圧と苦悩〜


3巻は異世界ハチャメチャサッカー大会でしたが、今回はペトラルカ主演の映画撮影が行われます。魔法少女に変身する幼女で皇帝のペトラルカやミニスカ学生服を着て喜ぶミュセルに萌えまくる展開続出・・・といったシーンもあればお約束のシリアスな展開も十分書き込まれた巻になってます。


映画撮影を行うことになったきっかけは、3巻のハチャメチャサッカーを撮影していた映像がいつの間にか動画配信サイトにアップされていて、それを見た視聴者が「異世界が存在するのか!?」と一種の祭りが起きてしまったからなんですね。そんな祭りを沈めるべく、実は映画のワンシーンでこの動画をアップした理由は単なるステマなんですよ、という体にするため映画の撮影を開始します(ステマ:誰かが勝手にアップした動画だけど、実は映画の宣伝でした・・・と映画配給元等の宣伝行為だと分からないようにみせかけるマーケティング手法のこと)。


そして、そんな撮影に熱中し夢中になるペトラルカ。彼女の日常は皇帝として政治的決断や国民を導くといった重圧にあふれたものであるからこそ、別の何かになりきることができる「映画」の役者を演じることに夢中になるわけです。このような状況に慎一は懸念を示し始めます。映画撮影を続けることで国の政治、統治が止まってしまうのでは? また頭を抱えることに。国のトップをある意味洗脳させる行為は日本にとってはプラスかもしれないが、それは神聖エルダント帝国にとっては大きなマイナスなのではないか? そしてエルダント帝国の重鎮たちもこういった行動を快く思わなくなり始めます。


はたして、ペトラルカは今後どうやってこの状況を切り抜けるのか? そして慎一たちの対応は? はたまた日本政府の介入はどう物語を揺るがすのか? このあたりはぜひ読んでみて楽しんでください。


といった感じで前半に萌えを出し、後半で国を治める14歳の皇帝ペトラルカが抱える苦悩や葛藤をしっかりと描ききっています。4巻まで読んできましたが、全ての巻に絶妙なバランスで萌えとシリアスが書かれているので非常に面白く感じます。萌えなら萌えだけ、そしてシリアスをちょっとくっつける、といったラノベは山ほどある中で珍しく良くできたラノベだと思ってます。人に勧めやすいし。。。


そんなわけで、次回は5巻。実はシリアス展開がかなり色濃く出てるストーリーなんです。3巻4巻がサッカーや映画撮影といったある意味サブエピソードみたいな展開でしたが、5巻は冒頭からすぐに慎一の周りに危機が訪れます。この感想はまた今度書きますか。


レーベル:講談社ラノベ文庫
シリーズ:アウトブレイク・カンパニ—