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これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【電】魔法科高校の劣等生17 師族会議編(上) 〜感想:きな臭い政治的な策略が中心〜


今回も面白かったのですが、「魔法」的な描写がかなり薄くどちらかと言えば政治的な策略がメインのお話でした。


1.前半:学校生活
前半は大きな変化のあった達也と深雪の学校生活のお話。深雪が四葉家の当主でと達也が真夜の息子であるということ、さらに深雪と達也が婚約したということで学校内が不穏な空気を醸し出しているという展開がメインです。特に、深雪や達也の友人たちのいつもどおりではない反応がリアルでもあり切なくもありました。

幹比古は達也と顔も合わせず避けながら「なんで相談してくれなかったんだ!」と勝手に憤り、美月はどう接していいかわからず慌てた反応しかできず。
ほのかや雫は深雪に近寄ることも出来ない状態。

そんな中、エリカやレオはいつもどおり達也に接していたのは印象的でした。そして幹比古や美月に活を入れるシーンはエリカの性格を強く表している名シーンだと思います。また、雫がほのかに達也と深雪のことを告げるシーンは一見の価値ありです。どのように友人たちが達也や深雪と仲直りしていくのか、ここが見どころかもしれません。

といった感じで前半は殺伐しつつもほのぼのと過ぎていきます。しかし後半は一気にきな臭い様相に変化します。


2.後半:十師族の政治的暗躍
後半のメインは日本、いや世界の動向をも左右する力を持つ十師族たちの様々な思惑やパワーバランスといった政治的な駆け引きがメインになってきます。

達也と深雪のの婚約に反対し自分の息子を婚約者にさせようとする一条家表側では近親婚では遺伝子がどうたらこうたら、と言いつつも裏では四葉家との力関係を危惧していることが見え見えの描写は非常に上手く描かれています。そんな一条家の肩を持つ七草家。真由美を達也の婚約者にしたいと行動に出ます。(相変わらず真由美は達也に恋愛感情は無いんだから! と否定しますが、実は・・・)

また、今回のタイトルでもある「師族会議」が開催され、今後4年間十師族を務める家を選定したり、現十師族の不手際を追求しあったりとまるで政治の裏側でドロドロ潰し合いをしているかのような描写が続きます。魔法を使ってドンパチするシーンはほぼ出てきません。九校戦編や来訪者編で出てきたような激しい戦闘描写を期待されている方は肩透かしを食らうかもしれないですね。ただ、今回は「師族会議編(上)」なので、次回の「師族会議編(中)」ではこういった戦闘描写がメインになるはずです。


という感じで今回も非常に楽しませていただきました。ただ、戦闘描写が少なかったこと、達也や深雪と友人・先輩たちとのシーンが少し少なかったことがちょっと不満でしたので、評価としては70点というところでしょうか。


中盤にアンジェリーナ・シリウスことリーナが久々に登場します。ただ、今回はメインというよりは次巻以降の予告編的な出演でした。日本へは軍として派遣されないという判断でしたが、師族会議編(中)(下)できっと暴れまわるんでしょう。そんな期待を込めつつ次巻の発売予定の12月まで待ちましょうか。