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【星】ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編(上・下) 〜伝説の同人ゲームはさすがに面白い〜

ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 (上) (星海社文庫)

ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 (上) (星海社文庫)


初めてこの同人ゲームをやったとき衝撃を受けました。とにかく恐ろしいほどの緊張感とのめり込むストーリーの面白さ。それが無料で楽しめるなんてすごい時代が来た! と感動するくらいです。ただ、ゲームの前半部分ははっきり言って苦痛です。だらだらとした日常、一癖もふた癖もある小学生たちのクラブ活動シーンなどなど、底抜けに明るく面白みのない場面が続くんです。


しかし、あるシーンをむかえた途端に物語の毛色が180度変わり一気に暗く重くドロドロとしたストーリーに変化。疑心暗鬼、被害妄想に怯えながら自分に危害を与えてくると信じて疑わない相手を攻撃し身を守る主人公。一気に駆け抜けるように最後までゲームを進めてしまいました。そんな猟奇サスペンスミステリーホラー? という同人ゲームをライトノベルにしたものがこの作品です。前半と後半の対比がものすごく、ほのぼのとした展開に心地よさを感じる人には極度の緊張感を感じつつページをめくらなければなりません。


ではひぐらしのなく頃にシリーズ1作目の「鬼隠し編」はどんな内容なのかというと、都会より雛見沢に引っ越してきた主人公圭一が学校に通いつつ仲間たちと交流するっていう話です。そんな圭一の仲間も個性が豊で雛見沢の集落の中で影響力を持っている園崎家の娘である魅音(みおん)や、圭一よりも少し前に雛見沢に引っ越してきた竜宮レナたちと毎日罰ゲーム付きの真剣勝負を繰り広げます。このあたりのシーンは結構助長で長いので、我慢して読み進めていただく必要があるかもしれません。


そんな中で圭一は雛見沢で過去起きていた様々な事件を耳にするようになります。バラバラ殺人だったり、ダム工事反対集会だったりと、自治体と住民の怒号溢れる対立を知ることになり、さらにその当事者や関係者が魅音の家族であったりレナにも関係していたりと徐々に雛見沢の土地に根付く形容しがたい雰囲気を感じてくるわけです。


また、毎日活動している部活に昔所属していたであろう人物の名前がふとしたきっかけで出てきたと思えば、みんなその存在を圭一に隠そうとするんです。仲間内の違和感、疑心暗鬼。


そして事件は起こります。事件というほどのものでもないんですが、雛見沢の警察に所属する刑事の大石が圭一と接触します。隣町のファミレスで交友関係についていろいろと聞かれその場は終わるのですが、それだけでは終わらないこともありまして。レナと一緒に学校から帰宅しているときにふと圭一が「昔部活に所属していた人って今どうなったんだ?」的な話をレナにふると、レナは「転校しちゃった」と返します。しかし圭一は食い下がります。本当はどうなんだ?とレナを問い詰めるのですが、レナの答えは変わりません。それでも圭一は問いただそうとすると、急にレナの態度が一変します。


虚ろな目で圭一を射抜くかのような視線を向けつつ、「この前の休みの日はどうしていたの?」といったことを聞くのですが圭一は大石刑事と会っていたことを隠した答えを返しつつ返答するんです。すると、レナの表情が鬼のような怒りに震えた表情に変わり、「嘘だ!!!」と怒号をあげます。そして「誰でも秘密はある」といった返答を残しその場から去っていきます。


この出来事以降、だれも信じることができなくなる圭一。学校を休み大石と相談しつつも不安はぬぐえない。自宅で一人不安と疑いの念を抱きつつ過ごすのですが、そんな中家の呼び鈴が鳴るんです。入口へ向かったところそこにいたのは魅音とレナ。初めはにこやかに談笑していたのですが、急に態度と声色が変わり大石刑事と何を話していたのかを問い詰められることに。精神的にも限界寸前の圭一。はたしてこのような状況の中で圭一はどうなってしまうのか。魅音やレナの真意と大石刑事の思惑はいったい・・・


といったのが大雑把な内容です。夜一人で読んでると雰囲気も怖さも抜群です。また、内容もしっかりと面白いので結構読みごたえがある作品だと感じています。ミステリーかと言われればどうなのかわかりませんが、ジャンルに関係なくエンターテインメントとして最高峰の面白さを感じることができると思いますよ。ぜひぜひ読んでみてください!


レーベル:星海社
シリーズ:ひぐらしのなく頃に

ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 (下) (星海社文庫)

ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 (下) (星海社文庫)