ラノベ感想.com

これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【フ】フルメタル・パニック1 〜この作品に出会えなければここまでラノベを好きになっていなかったと思う〜


皆さんご存知フルメタルパニックの1巻です。ここからラノベ界の伝説が始まったといっても過言ではないと思っています。超人気シリーズであり、アニメ化も幾度となくされコミカライズ、ゲームとメディアミックスも頻繁に行われていました。


初めてこの1巻を読んだのが1999年くらいだったと思いますが、それから完結するまでの約10年間は毎回続巻が出るのが楽しみで仕方なく、完結した時には何か心の中のパーツが一つ抜け落ちたような空虚な気分に陥ったほどです。現在は「フルメタルパニック・アナザー」という外伝的なノベルスが刊行されており、そちらでも十分に楽しませていただいておりますが、やっぱり原作の面白さには及ばないなぁとも思うわけで。


そんなフルメタルパニックの1巻ですが、どこの国にも属さない存在を秘匿されている特殊部隊ミスリルに所属し、紛争や様々な国際問題を武力で解決する凄腕傭兵である相良宗介が日本にいる一人の女性の護衛をするために男子高校生として高校に潜入するところから物語がスタートします。


当然日本のしきたりや慣習など全く知らず、つい先日までは傭兵として武器を片手に世界を渡り歩いていた軍人だったため、高校生活はハチャメチャなものになります。フルメタルパニックはその大きすぎる隔たりの中でもがく宗助とヒロイン千鳥かなめとのドタバタコメディがある意味メインのお話になります。靴箱に違和感があると感じ「C4(プラスチック爆弾)」で靴箱ごと吹き飛ばしたり、体中に武器を装備していたり、ヤンキーを武力制圧したりとこのギャップがまた面白いんです。


と言いつつ、そんな異文化ギャップコメディかと思いきや、その裏ではかなめを狙う組織の暗躍も同時に動き出しており徐々に宗助たちを包囲していきます。


この敵との遭遇は奇しくも修学旅行で飛行機に乗って移動する際に「ハイジャック」という形で実現することになります。ハイジャック犯は飛行機の経路を北朝鮮方向へ傾け学生数百人を乗せたまま動き出します。さらに、ハイジャック犯がかなめを拉致し彼女の持つ秘密を暴こうと特殊な車両に半ば監禁させてあの手この手で口を割らせようとしますが、ここで宗介の登場です。


宗介は、着陸後一人速やかに抜け出し敵の一人と交戦しつつ通信機を使いミスリルへ現状の報告等を行いさらわれたかなめを助けに向かいます。そしてかなめを救出したのち、何か逃げる手段を模索していると宗介たちが突っ込んでいった格納庫の中には「アームスレイブ」という戦闘用ロボットがありそれに宗介が乗り込みその場を脱出します。かなめは「素人のあなたに動かせるわけないでしょ!」といい、それに対し宗介が「俺は素人ではない。専門家だ」と言うシーンはぜひ読んでいただきたいですね。


このあたりが物語の中盤でしょうか。アームスレイブに乗り込み逃げ切れるわけもなく敵に見つかり戦闘開始。そんな状況から抜け出せても周りには敵だらけ、そして仲間や救援は一切期待できない状況。焦る宗介。そして決意する宗介。かなめを助けるために取りうる最悪の状況下で最も確実だと言える手段を提示します。それに対しかなめの返事は。。。


というのが1巻の内容です。最初から最後まで全力で駆け抜けるように1冊読み切ったラノベは久しぶりです。10年以上前の作品ですが、何度読み返してもとにかく面白い。ぜひ1巻だけでも読んでみてください。ではでは。


レーベル:富士見ファンタジア文庫
シリーズ:フルメタルパニック