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これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【講ノ】クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い 〜タイトルに込められた2つの意味に脱帽〜

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)


西尾維新にハマったきっかけの小説です。戯言シリーズライトノベルなのかそうではないのかで結構議論が分かれるようですが、私的にはライトノベルだと思っているので取り上げさせていただきました。私自身のライトノベルの定義は気軽に読める雰囲気を醸し出している小説のこと。。。クビキリサイクルも気軽に読み始めてみました。


確か初めてこの本を手に取ったのが2005年の4月だったと思います。いや、確実にそうです。本の中に購入したときにレシートが挟まっていましたので・・・この小説の舞台が京都であり、もっというと立○館大学の中が良く出てきましたので親近感を感じつつ読めたんですね。京都の雰囲気好きですし、大学のこともよく知ってましたし(察してください)。特にゾンチ(存心館地下食堂)で食べる唐揚げ甘酢あん掛けが好きで、オープンキャンパスの日に食べて感動して受験を決めたという私のエピソードも・・・はどうでもいいですね。


そんなシーンも出てくる戯言シリーズの第1巻がクビキリサイクルです。内容は密室殺人モノで登場人物のうちだれが殺したのか? 共謀している人はいるのか? といった謎を解明していく、というのがクビキリサイクルの大まかなストーリー。


ここで登場人物の紹介。主人公の「ぼく」は鹿鳴館大学に通う19歳の少年。周りからは「いーちゃん」とか「戯言使い」と呼ばれているけど本名は分かりません。そして島へ付き添って行った友人の玖渚友は、PCのOSを自分で作ってしまい運用出来るくらいの天才で、青い瞳と青い髪を持つ財閥「玖渚機関」直系のお嬢様。一人称は「僕様ちゃん」。さらに料理の天才である「佐代野弥生」、占術の天才「姫菜真姫」、絵の天才「伊吹かなみ」、七愚人(なんかそういう設定があるようです)の「園山赤音」といった面々が、とある孤島「鴉の濡れ羽島」にある館の主人である「赤神イリア」により集められます。キャラクター、多いね。特徴すごいし。


集められた当初は、なぜ自分たちが集められたのか特に明確な説明も無い中で、天才料理人の弥生がふるまう料理に舌鼓を打ったりかなみの描く絵画に驚いたりと少し違和感を感じるけどほのぼのとしたシーンが少し続きます。しかし、そんな館の中で突如として起こる密室殺人。犯人はいったい誰なのか? そして殺人のトリックは? この謎に主人公の「ぼく」が島へ付き添った「玖渚友」と共に捜査を行う、というのがクビキリサイクルのストーリーです。


これ以降のお話はネタバレになりそうなので書けませんが、ミステリーをあまり読んだことが無く、さらに読み慣れていない私にとっては、殺人犯を予想することも出来ずただただ物語の流れに身を任せつつ最後まで読み切ったというところです。初めはキャラクターの設定やネーミングが特徴的なだけのノベルと思ってましたが、最後まで読むとこの作品のタイトルである「クビキリサイクル」に込められた2つの意味に気づき内容を思い返して驚きと感嘆の連続でした。良くできたストーリーだと思います。今後、生き残った個性豊かなキャラクターたちがどんな物語を紡いでいくのか? 展開が楽しみですね。


ただ、はっきり言って文字量は多い部類に入ります。別に萌えとか巨乳とか出てきませんしそれが取り上げられることもほぼありません。メイドは出てきますが館の主人に仕える使用人という本格的な出で立ちです。ライトノベルらしいライトノベルを期待している方にはお薦めできません。でも、文章だからこそできる面白さ、工夫を楽しめることは間違いないです。文章で満足したい方には強くお薦めします。


※早く電子書籍になってくれー!


レーベル:講談社ノベルス
シリーズ:戯言シリーズ