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これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【GA】のうりん1 〜エロパロ満載のラノベらしいラノベ〜

のうりん (GA文庫)

のうりん (GA文庫)

『野菜を盗んだら停学。牛を盗んだら退学。』っていう校則がリアルに存在したりする。今年で創立百周年をを迎えるバリバリ農業高校である。


2014年にアニメ化する予定のライトノベルです。そういう意味で注目作なのかなと思い読んでみました。


それにしても久々に出てきました「ひらがな4文字系ライトノベル。これまでもまぶらほとか「まよちき!」とか「かのこん」とか「ぷいぷい!」とかありましたよね。でも最近あまり見なかった4文字系だけになんか新鮮な気分です。連載自体は長いようですが・・・


農業高校を舞台に様々な苦悩や発見があり、それを通じて人間的にも成長する、、、という銀の匙」的な物語ライトノベル風に構成・編集したもの。。。というのが読む前の勝手なイメージ。しかし、読んでみたらこのイメージが全く違っていました。というか、初めの10ページを読んだだけで「こりゃ全く違う話だ」と理解。まさにライトノベル、という感じです。


内容は8割以上が主人公やヒロイン、寮の仲間達とのドタバタ展開、ギャグ、エロというハチャメチャな展開が続きます。だから、こういうラノベ的なノリが嫌いな人は読まない方がベターです。大体ラノベの主人公ってやつは何の特徴もない中庸なルックスだが、実はものすごい能力があったり性格だったり嫌われていたりします。当然この主人公「畑耕作」も例に漏れず。。。


一見、高校の学生寮である「青田寮」に住み込み寮長をしていたり、学級委員をしていたりとまともそうな一面もあるが、実は濃いアイドルオタクで「草壁ゆか」というアイドルにかなり熱を上げているというキャラだったりします。また、その幼なじみの「中沢農(みのり)」は耕作とおなじく青田寮に住む同級生。はっきり言ってよくある幼なじみ設定で超巨乳。そんなお色気キャラがブルマ、スク水云々・・・みたいなことに1巻からサービスしまくりです。この時点で女性読者を意識していないことが丸わかりなわけで。


そんな中、ある日東京からわざわざ耕作達の通う農業学校へ転校生がやってきます。無口で無愛想、でも美人というキャラで名前が「木下林檎」。青田寮では耕作と同部屋になったり、田植え実習でコスプレに着替えて農(みのり)と女の戦い的なものを繰り広げたり、自分のパンツを耕作に洗って貰おうとしたり一見非常識なキャラクター。しかし、耕作は林檎をどこかで見たことがある? と気になってしまい、いろいろと考えを巡らした結果実は○○○だった!? という展開で物語がスタートします。


ただ、基本このラノベはお色気ギャグ満載のエロパロディが大部分を占めます。初めに8割以上がそうだと書きましたが9割と言っても過言ではないと思っています。そういう意味でアニメ化がかなり楽しみですね。そして2巻以降のお色気展開も楽しみっす。でも人を選ぶラノベであることは間違いありません。


といいつつも、綿密に取材したんでしょう。農業が取り巻く負の一面や業界人しか分からないであろう苦労が随所に挟み込まれています。ハチャメチャな内容の中にもきちんとシリアスなパートが入ってくるので、全体としてバランスを整えようとしている作者の意図は感じることはできるんです。しかし、いかんせんエロパロ部分が大半を占めるので人にはなかなか薦めづらい作品ではあります。


最後に難点を一つ。フォントいじりが多すぎるところが人を選ぶのではないかと思ったりします。文字を拡大したり太字にしたりと、文章力で楽しませるのではなく文章の見た目をも工夫しているところが結構目立ちますね。良しと取るか否と取るかは個々人の趣味志向もあるので一概には言えませんが、私は好きではありません。できればフォントはそのままにして言葉の魅力でで楽しませて欲しいと思ってます。


レーベル:GA文庫
シリーズ:のうりん