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これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【電】はたらく魔王さま!第1巻 〜魔王はたとえアルバイトをしていても超優秀〜

「察しの悪い奴め。いいか、この日本で魔力も体力も無い俺が手に入れられる唯一の力、

それは、"正社員の肩書き"だ!」


前期(2013年春)にアニメの放送があったはたらく魔王さま!の原作小説です。アニメの第1話を見て設定とキャラクターにはまってしまいKindleで発売されている分全巻購入してしまいました。後悔はしていない! なぜならものすごく面白かったから!


このラノベの面白さを一言でいうと「ギャップ」でしょうか。悪逆非道の魔界の王である魔王とその家臣(魔界の実力者)が現代社会で文化や社会の違いを痛感しつつも、6畳風呂無しアパートに住み込み日夜ハンバーガーショップのアルバイトに励む姿はシュールで変に面白い。さらに、そんなハンバーガーショップ(マグロナルド)での仕事ぶりがとにかく優秀で、率先してお客さまのタイプや状況に応じたサービスを提供し店長にもその実力を認められる、ってところが面白いんですよね。といいますか、結構勉強になります。仕事頑張ろう、と言う気にもさせられますし・・・


1巻では、そんな魔王である真奥貞夫(まおうさだお)と家臣の芦屋四郎(あしやしろう)が東京の笹塚に降り立ち、戸籍とか部屋の契約に四苦八苦するところから物語がスタートします。部屋もアルバイトも決まり日々仕事に励む真奥。そんな雨のある日、出勤する途中で一人の女性が傘も差さず急いでいるところに出くわします。真奥はその女性に自分の持っていた傘を差しだし自分は濡れつつ自転車を飛ばしマグロナルドへ行くわけですね。


そしてその帰り、昼間に傘を渡した女性が真奥を待っており真奥に敵対的な視線をぶつけてくるんです。戸惑う真奥、しかしその女性をよく見ると実は魔界で魔王を追い詰めた勇者エミリアで、100均で購入したナイフで襲われてしまいます。ちなみに日本での名前は遊佐恵美(ゆさえみ)。。。これもシュール。なんやかんやでその場を収めつつアパートに帰るとなぜかエミリアが尋ねてきて「財布、落とした・・・泊めて」と目線を合わせずぼそぼそ言ってくる姿に萌え。。。


といったドタバタを経て魔王と勇者の変な敵対関係が進んでいくんです。また、真奥のバイト先の後輩佐々木千穂(ちーちゃん)から強いアプローチを受けたり、地下街が敵対勢力の手で破壊され崩落したり、その影響で魔王の力を一時的に取り戻した真奥が他の市民を守ったり、それを見た恵美が真奥が市民を守る事に対して「なんで魔王が市民を守るのよ!?」と違和感と戦慄を感じたり、、、と、パロディやシュールな場面の中にもシリアスな一面がある完成度の高いストーリーって感じてます。


1巻は物語の導入みたいなもので2巻以降どんどん話が深くなり、お互い(魔王と勇者)の立場や過去、取り巻く環境が明らかになっていきます。真奥は正社員になれるのか? 恵美はデレるのか? はたまたちーちゃんは幸せになれるのか??? 今後の展開に期待です。


レーベル:電撃文庫
シリーズ:はたらく魔王さま!