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これまで読んできたラノベやマンガの感想を書きまくります。。。過去の消えてしまったような作品に再度光を当てたい・・・

【コ】マリア様がみてる ~淑女の園で優雅に進む物語~

マリア様がみてる (マリア様がみてるシリーズ) (コバルト文庫)

マリア様がみてる (マリア様がみてるシリーズ) (コバルト文庫)


物凄く流行っていることは知っていたけど、手にとってみようとは思いませんでした。だって手にとるのが恥ずかしいし、電車の中で読むなんて絶対に出来なさそうな雰囲気の小説だからね。でも、一巻だけ読んでみようかと思い本屋で買ってしまったのがある意味大正解だったのかもしれないです。


はっきり言って物凄く面白い。物語の構成、設定、そして登場人物すべてに魅力を感じます。しかも、登場人物が多いのにもかかわらず一人一人が個性的でいて魅力的なので読んでいて理解しやすいんですね。生徒会所属のメインのキャラクターからクラスメイトといったサブキャラクターまで全員が光っています。だからこそ子供から大人まで性別関係なく楽しめる作品だと思います。


物語の主役は生徒会。主人公たちが通う私立リリアン女学園の生徒会は通称「山百合会(やまゆりかい)」と呼ばれていて、その山百合会役員(生徒会長)であり私立リリアン女学園を代表する3人の生徒が、紅薔薇さまロサ・キネンシス)、白薔薇さまロサ・ギガンティア)、黄薔薇さまロサ・フェティダと呼ばれています。それぞれ会長、副会長といった役職ではなく3人が同等のポジションで山百合会が運営されています。


また、リリアン女学園では「スール」という面白い風習があるんです。この「スール」こそが「マリア様がみてる」のキーワードになりますね。上級生が下級生の学園生活を指導するために「姉妹(スール)」となって「特別に親しい」状態になること、そしてスールになるために上級生(お姉さま)が下級生に対してロザリオの授受を行うこと。このようなスールをめぐってあれやこれやと話が展開されていきます。ちなみに妹はプティ・スール。なんか書いていてよくわからなくなってきました(´・ω・`)


そんなこの作品の主人公の福沢祐巳はどこにでもいる一生徒であり、ロサ・キネンシスである生徒会長の妹の小笠原祥子に憧れているけどなかなか声をかけることも近づくこともできない女の子です。しかし、とある朝学園に登校した時にふと後ろから「お待ちなさい」と声をかけられ「タイが曲がっていてよ」と服装の乱れを指摘され直してもらうんです。その声をかけたのが小笠原祥子さま。この出来事が発端となり第1巻の物語が動いていきます。淑女の園で優雅に進む物語。雰囲気も内容も素晴らしく面白いですね。ちなみに小笠原祥子さまは「ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン紅薔薇のつぼみ)」と呼ばれています。ロサ・キネンシス・アン・ブゥトンの妹は「ロサ・キネンシス・アン・ブゥトンプティ・スール紅薔薇のつぼみの妹)」・・・何だこりゃ。


そして変に面白いのが「ごきげんよう」「よろしくって?」「お待ちになって」といった大正時代の女学園の中で発せられるようなご挨拶がだんだん違和感を感じなくなってしまうところでしょうか。こんな世界もあるんだ、、、と思いつつも優雅な世界を覗き見れる面白さってなんかイイですね。あ、どうでもいい話ですが「藤堂志摩子さん」が一番好きです・・・


読む前は、この一冊だけしか読まない。と決めていたのに今では全巻が本棚にあります。久々に激しくはまってしまった小説です。皆さんも一度読んでみてはいかがでしょうか。


レーベル:コバルト文庫
シリーズ:マリア様がみてる